訪問診療アシスタントとは?

総合

こんにちは、ロアちゃんと申します。

このページでは、「訪問診療アシスタントってどんな仕事なの?」という疑問に、現職者の視点からどこよりも分かりやすく丁寧に解説します。

医療業界の中でもまだまだマイナーな職業ですが、少子高齢化や病床の減少に伴い存在感を高めつつある訪問診療アシスタントについて、最後まで読んで理解していただけると嬉しいです。

なるべく専門用語は使わないように解説していきますが、ご不明点がありましたらご気軽にお問い合わせください。

そもそも訪問診療って何?

まず、「訪問診療(在宅診療)」という言葉を聞いたことがありますか?

訪問診療とは、一人では病院に行くことができない方に対し、医師がおうちに定期的に訪問し、診療を行うサービスのことを言います。

病院に入院、通院するのではなく出来る限り住み慣れたおうちで過ごしたい方はとても多く、そういった方の要望に応えるサービスとして利用者は右肩上がりで増えてきています。

こちらのサイトがとても分かりやすくまとまっていますのでご紹介させていただきます。

訪問診療とは?定義や利用するメリットについて|京都大原記念病院グループ・ニュース|京都大原記念病院グループ

訪問診療アシスタントとは?

さて、訪問診療の仕事を医師が一人で全てを行うのは非常に大変です。

膨大な情報や物品の整理、外部との連携、スケジュールの管理、車での移動・・・などなど患者さんの見えないところでたくさんの仕事があります。

こういった診察をする上で必要な周辺業務を担い、医師が患者さんにより良い診療を提供する手助けをする存在、それが「訪問診療アシスタント」です。

訪問診療アシスタントの業務

訪問診療アシスタントの業務は、それぞれの訪問診療所によって非常に多岐に渡りますが、主に以下のような業務を行うところが多いです。

  1. 物品や備品の管理
  2. 外部組織との連携
  3. 訪問スケジュールの管理
  4. 車での訪問
  5. 診察の補助
  6. カルテ入力

それぞれ解説していきます。

物品や備品の管理

訪問診療では、何百という種類の医療物品や薬品、そして大小さまざまな医療機器を扱います。

そういった物品・薬品・機器を、医師が求める時にいつでも不足なくお渡しするのが訪問診療アシスタントの重要な仕事の一つです。

患者さんが日々使用する物品を調達したり、緊急時に使用した薬品を補充したり、検査に必要な機器を整備して当日使えるようにしたり・・・

このような管理が診療の質の向上につながり、患者さんが日々快適に過ごすことに繋がっていきます。

外部組織との連携

患者さんがおうちで快適に過ごしていくには、訪問診療所の診察だけでは成り立ちません。

例えば、介護サービスの支援計画を行うケアマネージャー、おうちで看護サービスを提供する訪問看護師、おうちまで薬を届けてくれる訪問薬剤師・・・

他にも連携病院や老人ホームといった施設など、たくさんの職種との連携が欠かせません。

患者さんに関わる様々な人達と、医師に代わって情報交換をしたり、イベントの日程を調整したりするのが訪問診療アシスタントの重要な仕事の一つです。

訪問診療アシスタントが医師の連携の潤滑油になることで、患者さんを取り巻く医療環境が包括的に整っていくのです。

訪問スケジュールの管理

訪問診療所では、規模にもよりますが、大まかに1日平均数人〜数十人の患者さんを診察します。

また、訪問診療所は全ての患者さんに対して訪問スケジュールを設定して訪問していきます。

訪問診療アシスタントには、訪問診療を円滑に進めるために、細かなスケジュール管理が求められます。

訪問スケジュールを決定するには、患者さんの都合や訪問看護師など外部の都合の確認が必要です。

また、その日全体の訪問ルートを検討して、移動に無理のないよう調整する必要もあり、繊細かつ柔軟に考える能力が求められます。

練りに練ったルートも直前に変更になることがあり、その度に訪問日時を再検討したり、関係各所に連絡をしたりと一筋縄ではいかない業務です。

車での訪問

訪問診療では、患者さんのお宅に訪問する性質上、移動時間が発生します。

移動時間は訪問診療所や訪問ルートによって差はありますが、私が勤務する診療所では1日平均2時間ほど発生します。

訪問診療アシスタントが医師を目的地までお連れすることで、医師は車の中で他の作業ができます。

これは、訪問診療アシスタントが医師の作業時間2時間を生み出していると言い換えることができます。

車の運転と言っても、求められるスキルは多いです。

スケジュールに決められた時間に正確にたどり着く能力、交通事情を読み取り臨機応変に対応する能力など、プロの運転手に負けない能力を求められます。

もちろん、医師や大事な物品、薬品、機器を乗せた車なので安全運転の意識とスキルは絶対に欠かせません。

診察の補助

患者さんの家にたどり着くと、訪問診療アシスタントは診察に同行し医師の診察の補助をします。

例えば血圧、体温の測定。保険証や書類の確認作業。物品のお渡し。診療の記録メモ。

診療所によって様々ですが、基本的には医師に求められたことを補助します。

看護師などの医療資格を持つ訪問診療アシスタントは、採血などの医療処置を行うこともあります。

これらのような補助を、医師と息を合わせて行うことで、患者さんにとって安心安全でスムーズな医療を提供できるのです。

また、時には患者さんやご家族と雑談をして信頼関係を築いていくことも、訪問診療アシスタントの重要な仕事の一つです。

医師と一緒に最適な医療環境を築いていく意識が非常に大切です。

カルテ入力

カルテとは、患者さんの状態を継続的に把握し、適切な計画的医療を提供するための診療記録を指します。

カルテは診察した医師の名前で作成されますが、訪問診療アシスタントが医師の指示を受けて入力補助をすることがあります。

医師の判断や考えが必要な部分以外の、例えば患者さんの状態やその時の会話、処方する薬などを代わりに入力することで、医師の負担を減らすことができます。

現在では電子カルテを使用する診療所がほとんどであり、電子カルテを医師よりも使いこなすことができれば業務効率化に大いに貢献することができます。

終わりに

上述した業務以外にも、訪問診療アシスタントには多種多様な業務を任されることが多いです。

また、逆に上述した業務を医師が行う訪問診療所や、専門の事務やドライバーがいる訪問診療所もありますので、気になる訪問診療所がある場合には事前に業務内容の確認が必要です。

共通して言えることは、訪問診療アシスタントは、医師の仕事をあらゆる方面からアシストし、最高の診療を提供する手助けをする、訪問診療所には欠かせない重要な職業ということです。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

他にも訪問診療アシスタントに関する記事を書いていますのでぜひ読んでみてください。



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